元ソース<日本に2.5兆円市場は生まれるか──ケネディクスが“デジタル不動産”事業を拡大
2021-08-13 06:00:00
大規模な再開発が進む東京・渋谷にある賃貸マンションが、一部の個人投資家の間で話題となった。最低投資額は200万円で、年間の想定リターンは3.5%。大手不動産運用会社のケネディクスが手がける投資案件だ。
従来の不動産の投資信託やJ-REITと違うのは、単一の不動産に小口投資でき、取引される不動産資産(証券)はデジタル証券(セキュリティトークン)としてブロックチェーン上に記録されることだ。
J-REIT:REITは、投資家から集めた資金や借入金で商業施設やマンション、オフィスビルなどの複数の不動産を取得して、賃貸収入や売買益を投資家に分配する不動産等信託。東京証券取引所に上場されているREITは「J-REIT」と呼ばれており、個人でも投資できる。非上場のREITは「私募REIT」と呼ばれ、機関投資家しか投資できない仕組みとなっている。
新型コロナウイルスのパンデミックは世界のあらゆる業界のデジタル化を進めた。多くの投資家が「ポスト・コロナ」のさらなるデジタル化を期待し、投資戦略を練り直そうとする中、不動産を裏付け資産とするデジタルトークンを活用した金融商品は今後、個人投資家にとってよりアクセスしやすくなる。
渋谷の物件は2016年10月に建てられた10階建ての「KDXレジデンス渋谷神南」。総戸数は37戸で、1LDKと2LDKがメインだ。このビルの不動産鑑定評価額は27.4億円で、ケネディクスは今回、個人投資家から最大14億円を募集する。
日本に2.5兆円市場は生まれるか──ケネディクスが“デジタル不動産”事業を拡大