2021-04-05 18:53:39
日本銀行は4月5日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始した。
同日に開始した実験は「概念実証フェーズ1」と呼ばれるもので、2022年3月までの1年間で実施されると、日銀はホームページで発表した。決済手段としてのCBDCの中核をなす発行や送金などの機能について検証していく。
デジタル通貨の研究開発をめぐっては、中国が「デジタル人民元」の開発を積極的に進める一方で、欧米諸国の中央銀行は研究機関などと共同で実証実験を行っている。
フランスの中央銀行は今年1月、ブロックチェーンを活用してCBDCによる銀行間決済の実験を行ったことを明らかにした。英スタートアップのSETLが開発したプライベートブロックチェーンで、約200万ユーロ(約2億5000万円)の資金をCBDCで決済した。フランス銀行は今年、CBDCのメカニズムやリスクなどを調査する目的で、同様の実験を継続的に行う方針だ。
ウクライナの中央銀行は2017年頃から、CBDCの研究開発を進めてきた。同国政府は1月に、ステラブロックチェーンをCBDCの基盤として採用したと発表。ウクライナのデジタルトランスフォーメーション省と、非営利団体のステラ開発財団(Stellar Development Foundation)は覚書に調印し、ウクライナのデジタル通貨の開発と暗号資産のエコシステムの整備を進めていく。
一方、アメリカの中央銀行は、デジタルドルの開発に対して慎重な姿勢を維持している。
米FRB(連邦準備理事会)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は昨年10月、「(デジタルドルについては)アメリカにとって、一番先に行うことよりも、正しく行うことのほうが重要だ。ドルが世界的に重要な役割を担っていることを考えると、研究と政策開発の最前線に留まることは不可欠。ドルは世界の基軸通貨であり、ドルに対する世界的な大きな需要は引き続き存在している」と発言している。
元ソース 詳細はこちら