2021-06-08 12:31:22
デジタル通貨導入にはさらなる検討が必要
英イングランド銀行は、6月7日に発表した審議文書(ディスカッションペーパー:DP)「新しい形態のデジタルマネー」で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)にはコストや機能性の面で多くのメリットをもたらす可能性がある反面、その需要や経済への影響には「大きな不安要素」があるため、さらなる検討が必要だと慎重な姿勢を見せた。
イングランド銀行は、公的に発行されるCBDCと、民間企業が提供するステーブルコインの両方を「新しい形態のデジタル・マネー」と定義し、このDPでは一貫してリテール(一般消費者対象)の利用に焦点を当てている。
このDPの目的は、CBDCとステーブルコインの役割や影響などについて、イングランド銀行の現在の考え方を詳細に示し、金融機関や決済業界関係者をはじめ、テクノロジー企業、有識者、そして広く一般からの意見を求め、議論を高めていくためとしている。
アンドリュー・ベイリー総裁は、「決済手段としてのステーブルコインの見通しと、新たに提案されているCBDCは、様々な問題を提起している。」と述べ、新しいデジタル通貨の将来に関して、中央銀行、政府、そして社会全体で、厳しくかつ適切な質問をすることが不可欠だと強調した。
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