2021-06-11 12:25:47
仮想通貨マイニングの環境負荷を懸念
米ニューヨーク州が、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)マイニングを制限する法案の審議を進めている。民主党のKevin Parker上院議員らが起草したこの法案は、上院において36対27で可決、州議会に送られたところだ。
同法案は、環境上の懸念から「炭素ベースの燃料を利用する発電施設」内で行われる仮想通貨マイニングについて、新たに操業許可を与えることを禁ずるものとなる。また、既存のマイニング業者は現在のエネルギー使用レベルを上限とし、エネルギー消費を増加させる計画がある場合には、操業許可を更新しないものとする。
こうした法案の規定は、ビットコインなどプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のコンセンサスアルゴリズムを持つすべての仮想通貨マイニングについて適用されるとしている。
ニューヨーク州当局では、マイニングセンターの電力消費量や、温室効果ガスなど汚染物質の排出量、水・大気・動物など環境への影響などについて、評価書を発行することも求める。
ニューヨーク州は、2019年の「気候リーダーシップ・地域保護法(Climate Act)」で、2050年までに炭素排出量を1990年比で85%以上削減することを目標に掲げており、今回の動きもその一環だ。
法案は、仮想通貨マイニングが「ニューヨーク州で拡大している産業」であり、多くの場合は使われなくなっていた化石燃料発電所を再利用していることが多いと指摘。エネルギー消費量が大きいことから、削減目標の妨げにもなると懸念している。
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