保ち合い下放れのビットコイン 不安定な値動き続くか【仮想通貨相場】
2021-06-09 11:15:00
著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
8日のビットコイン(BTC)対円相場は33,832円(0.92%)安の3,658,106円と終値ベースではほぼ変わらず。しかし、アジアから米市場の序盤までは上値の重い展開となり、相場は一時340万円まで下落し、昨日のビットコインの日足は長い下ヒゲを付け安値圏での底堅さも印象付けた。
アジア時間のこの日のビットコインは前日米時間からの下落の流れを汲む形で、370万円から360万円まで一段安。下落の要因としては、①トランプ前米大統領の「ビットコインは詐欺のようだ」という発言、②米連邦捜査局(FBI)がコロニアル・パイプラインのハッカーからBTCを奪回したことで「ビットコインがハックされた」という誤情報、③相場の三角保ち合い下放れが挙げられる。
欧州時間に入ると相場は360万円周辺で下げ渋るも、米国勢の参入後から再び売りが入り、相場は先月23日ぶりに340万円にタッチ。ただ、同水準からは押し目買いが入り反発し、米市場引け後にはアジア時間からの下げ幅をほぼ解消し、足元、360万円台後半で推移している。
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成