2021-07-26 12:47:04
取引手数料無料の舞台裏
米ビジネス誌フォーブスは、デジタル資産・決済の台頭が、証券会社のビジネスモデルに大きな影響を及ぼす可能性を指摘した。
従来の株取引に大きな衝撃をもたらしたのは、「取引手数料無料」を打ち出した株式取引アプリのロビンフッドだった。2018年、ロビンフッドは暗号資産( 仮想通貨)取引サービスの提供を開始し、現在約1,800万人のユーザーを抱えるまでに急成長した。
手数料無料を実現した大きな要因は、ロビンフッドが顧客の取引注文を、膨大な注文量を抱える大手マーケットメーカーに転送することで得られるPFOF(Payment-for-order-flow:注文フロー支払い金)だという。ロビンフッドの場合、収益の75%以上がPFOFによるもので、2020年には7億2,000ドル(約796億円)に上り、その中には仮想通貨取引も含まれる。
また、大手証券会社が特定の銘柄の買い手と売り手を自社でマッチングさせ、そのスプレッドから収益を得るネッティングという手法がある。ネッティングを利用して大きな収益を上げているのは、世界最大の証券会社Fidelityと投資プラットフォームのeToroだ。
ネッティングとは
▶️複数の当事者間で債権と債務を相殺し、その差額のみを差金決済すること。
しかし、米証券取引委員会(SEC)のゲンズラー委員長は、PFOFを含む様々な分野の規制を見直すよう求めているといわれており、取引手数料無料モデルの大幅な変更が余儀なくされる可能性も危惧されているようだ。
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