2021-04-04 11:00:00
タイ銀行がリテール型の中央銀行デジタル通貨(CBDC)のための計画を設定した。予備のテスト用プロトコルは22年の第2四半期に開始されることが予定されている。
タイ銀行はこのことを2日に公開されたプレスリリースにて発表し、同行の提案するCBDCの計画に関して一般からの意見を募っている。
計画の一部として、タイ銀行は同CBDCを詳細に記述した予備報告書を公開した。CBDCを作り出すことの動機として、タイ銀行はプライベートなステーブルコインの成功が「通貨主権と金融の安定性」へのリスクを提示したと主張している。
確かに、3月にタイ銀行はテラの発行するステーブルコインであるタイ・バーツ・デジタル(THT)を違法だとみなしている。その際タイ銀行は、タイにおいては中央銀行以外のいかなる組織も通貨を発行することは禁じられているとする法律を引き合いに出している。
タイ銀行の報告書によれば、同行は関係者らと密接に関わり合い、国が運営するデジタル通貨に関わる機会、リスク、そして課題を解明するための費用便益分析を行うことで、CBDC開発の取り組みを開始するという。
タイ銀行にとっては、「質への逃避」、すなわち消費者らが市場の混乱時に不換紙幣よりもCBDCを好むということが、依然として大きなリスク要因となっている。したがって、市場が不安定な時期になったときに取り付け騒ぎが起きる可能性を減らすために、引き出し制限やその他の取引摩擦プロトコルを追加することをタイ銀行は提案している。
予備報告書における結論の中で、タイ銀行はCBDCの可能性を残していることを明らかにし、デジタルなバーツのテスト用プロトコルを開始することの理由とした。
2日の説明会にて、タイ銀行の金融市場業務部の副部長を務めるワチラ・アロムディ氏は、CBDCはタイ銀行にとって国内における金融サービスをより広く利用できるようにする方法であると述べている。
アロムディ氏によれば、CBDC計画は次の3年から5年以内には実行に移すことができるだろうという。タイ国民らは6月までタイ銀行によるCBDC計画に関する意見を提出することができる。
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